【着物の着こなし術】成人式や卒業式の着物をワンランクアップさせる半襟はご存知ですか？

一生に一度しかない成人式。着物を着るならとことんこだわってみたいと思いませんか？今回は着物の襟からちらりとのぞかせる、おしゃれな半襟のお話です。

半襟

そもそも、半襟とは？

削 (そぎ) 襟ともいう。襦袢 (じゅばん) などの襟の上に装飾を兼ねて縫いつけた襟。もと本襟と同じ長さのものを長襟と呼んだのに対する。江戸時代に盛んで，男性用は黒地，女性用は冬と夏で異なり，また儀式用には無地の白紋織に金糸や銀糸で刺繍したものも用いるようになった。

引用元: 半襟-コトバンク

半襟は、簡単に言ってしまえば整髪料や汗で汚れないように和服用の下着である長襦袢の首元につけるもの。上の画像では、着物の下の白い布の部分にあたります。一般的には1～2回着用したら取り外して洗い、また利用するときに縫い付けます。着物自体がとても高価なので、こうして汚れがつかないように大切に着る工夫がされているんですね。

成人式でつける半襟の色に決まりはある？

半襟として最も一般的なものは無地の白いもの。今は緑や青、黒に黄色、刺繍に柄物など、種類もとても豊富です。成人式や卒業式でつける半襟の色に特に決まりはありませんが、赤は基本的には未婚の若い女性の色とされます(成人式での振袖同様に既婚の方が絶対に使ってはいけないということはありません)。

芸妓見習いである舞妓さんが一人前になる際に襟を赤から白に替えることから、一人前の女性になることを襟替えと言ったりします。大人になる節目となる成人式には、意味を知ったうえで白の半襟を選べばまた格別の想いがあるのではないでしょうか。

成人式もこだわりたい！半襟一つでがらっと変わる着物の着こなし

一言に「白い半襟」といっても美しい刺繍や可愛らしい色柄が入っていたりと、とっても種類が多いんです。もちろん、白以外にも素敵な半襟はたくさん！ここではそんな楽しい半襟の世界を少しだけご紹介していきますね。

少し地味だった着物も半襟ひとつでぐっとモダンになったり垢ぬけたりと、知れば知るほどこだわりたくなるのが半襟。成人式は色留袖にしてみようと考えていらっしゃる方は、上半身に模様がないぶん半襟で華やかさを演出する楽しみもあるのではないでしょうか。

白地に桜の花びらを散らした半襟は可憐な印象

ビーズなどでデコレーションを施した半襟は華やか

淡い色で全体に刺繍を施した半襟は優しい雰囲気ながら華やかな仕上がりに

着物の緑と合わせれば甘くなり過ぎずアクセントにも

黒地に艶やかな刺繍の半襟なら大人の雰囲気

水玉柄の半襟が入るだけでぐっとポップに

柄×柄でも、同系色を選んでモダンな仕上がり

同じストライプでも帯と半襟が変われば一気にレトロに

帯と半襟の色をあわせて統一感を出して

着物の柄、帯、半襟で作る同系色の妙

赤の半襟はやっぱり華やか

暗めな色合いに野菊をちりばめて。明るい色の着物に渋めな色合いの半襟も素敵です

着物の色味が控え目な分、半襟に色を盛り込んで。着物と同系色も使ってあるのでちゃんと馴染みます。

小鳥が隠れた半襟はとってもキュート

派手な半襟で遊んでみるのも楽しいもの

おしゃれな半襟も着物と一緒にレンタルできる！(しかも振袖セット内！)

「せっかくの成人式だから半襟も素敵なものがいいけれど、それだけを探すのは大変」という方に嬉しいのが、基本料金内で最初から刺繍半襟をつけてくれている着物のレンタルショップ。最初から間違いのない組み合わせでプロが選んでくれているのも心強いポイントです。ここではそんなお店をご紹介します。

着物、帯、帯あげに帯締め、そして半襟など、コーディネートの内容があらかじめ画像で掲載されているのが嬉しいですね(※一部詳細な画像がない商品もあります)。基本的には白地の半襟のようですが、それぞれに白や淡い色などで繊細な刺繍が施されていて、思わず手に取りたくなるものばかりです。

こちらは注文時に「かわいい」「ゴージャス」「大人スタイル」など着こなしのイメージを選択することができて、それに合わせてスタッフの方がコーディネートをしてくれるというもの。イメージをさらに詳細に伝えたい場合は、注文時に備考欄に記載するかお店に直接電話をすると受け付けてもらえます。料金の範囲内での対応にはなるでしょうが、明確なイメージがあるのであれば伝えるに越したことはありませんね。全体のイメージを事前に把握しておきたい場合も連絡をしてみるのがよいでしょう。

まとめ

本当に半襟だけでぐっと着物の印象が変わるので、見ているだけでも楽しくなりますね。お顔に一番近いところにある半襟には自然と視線もいきやすいので、手を抜かずにいたいところ。成人式はまだあまり着物を着る機会のない年代なのでほとんどの方が白の半襟で参加されると思いますが、ワンポイントでも手が入っていればそのぶん新鮮に見えるというものです。

大人の門出の晴れの日ですから、成人式は着物だけでなく半襟にも気を使ってみたいものですね。